愚か者の庭

ニュージーランドで29年。鉄道+動物好き。愚か者の家在住

【海外移住】うかつに日本に住所を移してはいけない

海外在住トータル30年あまりになりますが、一度だけ、一時帰国中に日本に住所を移したことがあります。


30年前ニューヨークに住んでいて、ガンで入院闘病中の父の介護に、生後7ヶ月の長女連れで帰った時。


滞在が長くなるかもしれないので、住民票を父の住んでいた大分市に移しました。


実はその後、滞在中に長女が火傷をしてしまい、医者通いすることになったので、大変助かったのを覚えています。


その何年後かにNZに移住して永住。以来帰国するときは、医療カバーもある旅行保険を買ったりしています。


同じ永住者の中には、一時帰国中に実家に住民票を移して、歯の治療やら人間ドッグやら、ありとあらゆる医療を 国民健康保険の3割負担で 再大限利用するという人がかなりの数いるのですが、これは少し気をつけた方がよいと思います。


海外での遺産相続時に、日本の相続税がかかる可能性があるからです。


海外永住でも、日本国籍を放棄した外国籍所有者の場合はこの限りではないのですが、日本国籍所有者の場合は、相続より10年以内に日本に住所を有していると、海外の家などでも、配偶者が亡くなって相続する場合に、日本の相続税が発生することがあるらしいのです。


海外遺産相続にかかる日本の相続税の有無は、条件が細かく分かれているので、ネットで調べられることをお勧めします。


この相続税ルールも、近年に何度か変わっているようなので、今後もまた変更される可能性があります。


海外の財産に日本の相続税がかかるのは、日本に住みながら、海外に財産を移して日本の相続税から逃れると言う、資産家の相続税対策に対向するためらしいです。


そういえば大昔ワーホリでオーストラリアにいた時、日本人の若い夫婦が実家(お祖父さん)の相続税対策のため、海外に住居を移して語学学校に通っているというケースを見ました。


お祖父さんが病気なのに傍にいなくていいのかと思ったのですが、きっと孫を海外に出して不動産などを買い、財産を海外に移して、相続税がかかる日本の財産を目減りさせるという、親の目的があったのでしょう。


相続非課税に国民健康保険…海外と日本それぞれのいいとこ取りという恩恵に、可能なら誰もがあずかりたいのかも知れません。


ですが、日本の国民健康保険を使うために、海外永住者が日本に住所を移して、その間、またはその直後に、事故や病気でパートナーが死亡したら…海外で住んでいる家や年金ファンド、老後の預金などありとあらゆる財産に日本の相続税がかかる可能性もあるのです。


相続税は、二つの国で二重に取り立てしないというルールもあるらしいのですが、私の住むNZには相続税がありません。なのでこの国で課税されない場合は、日本の相続税が掛かるかもしれない。


一方、日本の国民健康保険の話に戻ると、日本で収入を得て納税している人達は、かなり高額の国民健康保険料を義務として払っているのです。


親の介護などの理由で 日本に長期滞在・居住する場合に、一旦住民票を移して日本の健康保険制度を利用させていただくのは致し方ないと思います。


でも毎年のように帰国している海外永住者が毎回毎回利用するのは、悪質な搾取ではないかと感じるのは私だけでしょうか…


第一 海外でそれなりの収入があったら、国民健康保険料も海外収入に応じて払うべきですよね。


それを日本では無収入だからということで、少ない保険料だけ払って最大限利用するというのは、自慢気に語る裏ワザなどではなく、大顰蹙だと思います。


加入義務があり高い保険料を払わされている日本の皆に、申し訳無いです。